ホテル・レストラン・飲食店の方は、取引をしている業者さんをもう一度見直すことが必要ではないでしょうか?よく納品の際に、冷蔵庫の中まで納品させているところがありますが、いろんな意味で見直すべきかもしれませんね。冷蔵庫は決まった人が管理するべき聖域だと思います。
それではなくても、食中毒は何でもない普通の料理から発生するところが怖いところです。
特に0−157は通常の大腸菌より、かなり少ない細菌数でも発病する特別な食中毒菌です。
自分のところでだけで気をつけていても、どうにもならないことが、食中毒の原因になっているし、予防の妨げになっていることと思います。
※でも、冷蔵庫には決まった人しか入れない!ということは決めることができると思います。
そこで提案があります。いま取り引きしている業者さんに対して、「この業者は自社に対して、食中毒などの危険を回避させてくれる業者がどうか?」を判断するべきだと思います。先ほども書きましたが、自分のところだけで注意していてもどうにもならないことがあるからです。
言い方を変えるならば、自分のところで衛生管理に気を遣っているぐらい、業者さんの選択にも、気をつかって決めなければならないと思います。
逆に業者さん次第では、厨房の食中毒危機を回避してくれることもあるからです。
その時に参考になるのは、危険回避率です。(自称です。あしからず)
危険回避率とは、この業者と付き合っていれば危険が回避できる(食中毒がでない)という業者を危険回避率100%にします。あとは、自社で取引業者にたいして、ココの業者は何%だろうか?という点数をつけて行くのです。
当然のことですが、同じ内容の業者であれば危険回避率が高い方と、取引をすることになるわけです。
危険回避率をチェックするポイントですが、ほとんど基本的なものばかりです。
業者様を見分けるチェックポイント8箇条!
1)食材を適正な温度帯で、デリバリーしているか?食肉でしたら当然冷凍冷蔵車です。
2)取引業者は検便を定期的に実施しているか?(外からいろいろな菌を運ぶ可能性がある上で大変重要なことだと思います。)
3)食材業者からみた、衛生管理とは?といったような、独自の細菌管理に対するノウハウを持っているかどうか?
4)殺菌・滅菌などに対してのどのような努力をしているか?製品に対しての殺菌はどういう方法を採用しているか?
5)納入業者の製品に関して、どのぐらいの情報を(危険回避に対する)提供してくれているか?
6)業者さんの冷凍庫、冷蔵庫を拝見させてもらい、どんな管理をしているか?
7)業者さんの取引先(仕入れ先)に過去になるべく食中毒を出したことのない会社とつきあっているか?どうか?
8)冷凍物などを解凍する際にどういった解凍方法を用いているか?(食肉業、魚販売業はどは特に注目したいです。)
など、それぞれ自社のチェックポイントをつくって業者を採点してみる必要があるのではないでしょうか?
※食中毒を出さないための、おすすめの酸化抑制冷蔵庫はこちら
→冷凍解凍システム
また取引業者の危険回避につながるノウハウと、自社のチェックポイントとの微調整が、話し合いで必要になってくると思います。このようなことを考えながら、日々の取引業者を選定していくことが、これから不可欠になってくることと思います。
ローストビーフはブロック肉ですから、表面を加熱殺菌すれば安全に食べることが出来ます。
最初に高温で焦げ目をつけるのは、旨みを逃がさないことと表面を殺菌することの2つの意味があります。
しかしながら、テンダーロインのローストビーフは注意が必要です。筋を引いて凧糸で成形することにより、表面の肉が中に巻き込まれてしまうのです。 ウェルダンに焼き上げても中心温度は63℃程度ですから、殺菌にはなりません。もし中に巻き込まれた肉の表面に雑菌があったとしたら、なま暖かい温度により、細菌の培養が行われてしまいます。テンダーロインを扱うときには、より一層の注意が必要です。
< テンダーロインでローストビーフを作る>
テンダライズ・タンブリング・結着処理、それぞれ一つでもした食肉(主に牛肉)は豚肉などと同様に完全に火を通す必要があります。
テンダライズとは肉に細かい針状のものを刺して筋を切るものです。
タンプリングとは肉に調味料とかをインジェクターにより注入したものを肉の繊維に馴染ませるために、ミキサーみたいなもので撹拌することです。
肉に脂を注入することもこれに入ると考えていいと思います。
結着処理とは、肉と肉を結着剤を使いつなぎ合わせることです。
これらの処理をした食肉はレアとかミディアムなどという焼き加減はもはや存在しません。存在する焼き加減は、ベリーウエルダムです。完全に火を通さなければなりません。
でもこれってよく考えてみると肉を柔らかくするために加工をしているのに、一番美味しくない調理法(焼きすぎ)でしか食べられないことになってしまいます。
テンダーロインやサーロインなど結着してあるもの、また和牛脂などが注入してある製品などがあります。価格的割安感、柔らかさなどからブッフェや婚礼などで使うことが多々あると思います。
その場合、製品的にしっかりしたものを選んで使用する必要があります。
場合によっては細菌検査なども必要です。
また、その場合も75度まで(1分間)上げて焼かない限り細菌は死滅しません。
ステーキを焼く場合の中心温度は何度ぐらいで焼いているでしょうか?
もし、ステーキの結着面に細菌がついていたら、また和牛脂などを注入した部分に細菌がついていたら、中途半端に加熱されてますます菌が繁殖しているはずです。
もっと危険なことがあります。ローストビーフステーキなどで1本丸ごと焼く場合がそうです。お客様に提供する2時間前ぐらいから焼いてホールディングしている場合などは、肉の中に細菌があった場合、細菌を格好のすみかで2時間培養しているようなものです。
これは、即刻中止しなければなりません。
炭火で焼くホルモンなどは、表面がカリッとしていて格別のうまさがあります。
しかしながら気をつけなければならないことがあります。焼き肉やさんでもそうですが、生の焼き肉の材料などを(特にホルモンは要注意)自分の口に入れる箸で取らないことです。
細菌が体に入る恐れがあります。
そんなに神経質にとも思われますが、内臓系は細菌が他の肉にたいして多いのが特徴です。
生のホルモンをさわった箸で直接口に入れるのは、やめてください。
特にバーベキューの時期には野外での食肉の保存にも気をつけたいものです。
厚生労働省医薬局食品保険部監視安全課より各関係業界に対し食中毒防止についての指示がでた。内容は次の通りです。4月27日付
テンダーライズ処理、タンブリング処理(調味液を機械的に注入する処理)を行った食肉に関しては調理段階での中心部までの加熱が必要な旨、表示等、情報提供を行うことを行政指導してきたが、製品によってはその表示がないものがある。(ほとんど無いに等しい)今後この表示を義務化する必要がある。と言う内容です。
言い方を少し変えると、食肉に何らかの形で内部に手をくわえたものは、完全に中心まで加熱しなければならない。となる。
レア、ミディアムのステーキは、何も手を加えない肉でしかあり得ないことになります。
人工のさいころステーキ、結着のステーキ、和牛脂入りのステーキ、柔らか牛(焼き肉用)柔らか牛タン、柔らかポークなどを使っていたところは、改めることが必要です。
また、生食用の人工的に脂を加えた肉(馬刺の人工的な霜降りなど)も、販売品目からはずす動きが
大手ハム会社などからでている。
食肉を柔らかくする方法として細かい針が沢山束ねてあるものを肉の細胞繊維に刺していく方法があります。細胞繊維を切って柔らかくする効果と肉を酸素に触れやすくして熟成を早める効果があります。
いずれにしても気をつけなければならない点はジャガードする前に針を洗浄して殺菌をすることです。刺す針が雑菌だらけだと肉に刺したときに菌を植え付けてるのと同じことになってしまいます。
これでは、肉の日持ちも悪くなってしまいますし、豚ならちゃんと火を通しますから殺菌は出来ますが、牛肉の場合、ミディアムレアなどで食すことを考えた場合ぞっとしてしまいます。
同様に肉をたたく場合も、菌が肉中に入る可能性がありますので調理の際は完全に火を通すことが必要です。
ジャガードした後にステーキを焼いていた方、考え方を変えてください。
米国は年間2万人ものO-157患者がでる。
また、ホットドックを食べて21人もの死亡者を出したリステリア菌問題も大きな問題だ。
米国は最大の食肉輸出国であり最大の食肉輸入国だが、輸入の大半はミンチ材だ。
O-157汚染の大半はミンチ関係の汚染になるという。
最近放射線を使って細菌を死滅させる放射線殺菌をミンチにも取り入れている。
宇宙飛行士用の食品には1972年から放射線殺菌を使ってることは有名な話。
ホットドッグのような調理済みの食肉類、ナッツ類、ジュース類、冷凍野菜・果実類、カット野菜・サラダ類、モヤシ類等にも使用を拡大するそうだ。 |