カナールは、野性の野鴨(カナール・ソヴァージュ)と飼育された家鴨(カナール・ドメスティック)があり、前者は野禽類、
後者は家禽類になります。
フランスの鴨の生産量は、ヨーロッパではトップの13万3000t。ヨーロッパの鴨の生産量の55%をフランスが占めています。
カナール
ド バルバリー
カナール総生産量の90%を占めます。
鴨の中では1番の大型種で、10週齢で出荷され、P.A.C.(★)の状態で
雄は2.4s〜2.8sに仕上げられます。
雌は1.3キログラムから1.6キログラム前後で、小さいものカネットと呼ぶこともあります。
★P.A.C.(プレ・タ・キュイール)
首と足先を切り落とし、放血後内臓を取り除いた状態
カナール
シャランデ / シャラン鴨
シャラン鴨は、もともとはナント鴨(カナール・ナンテ)と呼ばれていたものです。
ナント鴨はシャラン北部の15kmから周囲30kmのヴァンデ沿岸地域の湿地で生息していたので、より適切な名前としてシャラン鴨と呼ばれるようになりました。歴史は古く、ヴァンデ県に移住したスペイン人が野鴨を飼いならしたことから始まり、品種の改良で現在のシャラン鴨が出来上がりました。
シャラン鴨の特徴は、恵まれた湿地帯での今日まで変わらない伝統的な飼育法にあります。
伝統を守った職人による手作りの餌(とうもろこしに小麦、大豆、果肉、糖蜜)を与え、暖かな飼育場で1週間過ごした後は、8〜9週間自然の中で育ちます。
シャラン鴨はエトフェ(窒息)した鴨としても有名です。
エトフェとは、元来針を首の後ろに刺し、仮死状態にさせ、血を抜かずに屠鳥する方法です。 最近では電気ショックによる方法もあります。 エトフェさせることにより、鴨の体内に血がうっ血して、その結果
血が肉全体にまわります。(鬱血の為黒っぽい)
それにより、肉に鴨特有の鉄分を含んだ風味が強くなるのです。
エトフェ(窒息)させることにより血液が肉の中にとどまり、より風味が高まり ます。エトフェによってより美味しくなると言うことは、鴨の質が良いことの証です。シャラン鴨の生産量は少なく、フランスでもごく1部のレストランにしか出回りません。
エトゥフェした鴨はラ・トゥール・ダルジャンで有名になりました。
カナール
ミュラール / マグレ ド カナール
フォアグラをとる鴨として有名です。
一昔前は、フォアグラをとった後の鴨は生産農家でコンフィにするなどして自家消費していましたが、10年程前から胸肉のみ、マグレ・ド・カナールとして人気が出てきました。
偽者が出回るようになったことから、フランスではマグレ・ド・カナールを下記のように明確化し、法令化しました。
「フォアグラ製造のため、ガヴァージュにより肥育させた鴨、またはガチョウからとった胸肉のみで、手羽肉は含まず、肉付きで皮下脂肪でおおわれた状態であること。」
★カナールの脱羽について
ドライピッキング後、鴨の場合はどうしても羽毛が残ってしまいます。羽毛の処理には2つの方法があります。
- ワックス処理
溶かしたワックスの中に鴨を漬け、表面を覆ったワックスが固まったら引き剥がします。ワックスと一緒に残った羽毛もきれいに取り除く事が出来ます。
- 温水浸漬法
鴨の皮は鶏の皮よりも厚くて硬いので、湯漬けしても鮮度に支障はありません。鶏の場合よりも高温で処理します。
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