ステーキを焼く上でのポイントは、いろいろあると思いますが、中でも焼き加減には、神経を使います。レア、ミディアム、ウェルダンなど焼き方はさまざまですし、中間の焼き方など入れるともっと区別をしていかなければなりません。
焼き方のポイントは肉の中心温度を何度までもっていくかというところにあると思います。どういう焼き方をして、中心温度を何度にどうもっていったか?が、焼き手のこだわりでしょうか・・・・。
焼き加減によって加熱によるタンパク質の凝固の度合いが、肉の食感・風味を左右します。ジューシーなステーキが美味しい!と思うのは、わたしだけではないと思いますが、ジューシーさを出すためにはいろんな工夫が必要です。
和牛のロースの霜降りなどのステーキの場合は、焼きすぎても口の中でジュワーとジューシーさが出ますが、これは肉汁ではなくて、脂が溶けているんです。(脂汁とでも申しましょうか・・)
脂の旨味と、肉汁の旨味は、また違うと思います。
■タンパク質が凝固することによって肉が収縮する
凝固は約50℃で始まり、100℃まで様々な方向性を持って収縮していきます。
ですから、中心温度50度のステーキと70度のステーキでは肉の収縮の度合いも食感も違ってきます。ジューシーなステーキとは、あまり焼きすぎません。焼きすぎることによって、肉汁がでてしまいぱさついた堅いものになってしまいます。
※だんだん中心温度が上昇するにつれて、肉汁が肉のなかに充満してきますが、理想としてはステーキを切った瞬間は肉汁はあまりでなくて、口に入れて噛んだ瞬間に肉汁がジュワーと出てくるのが理想だと思います。まるで、ほおばったとたんに果汁から汁が出てくるようにです。
焼き上がった直後にカットをしますと肉汁がおどってしまいますので、少し落ち着けて食べますしステーキを焼く肉を常温によくなじませておくことも大切だと思います。これらのことは、肉汁を肉の細胞繊維の中にとじ込ませておくのに役立ちます。
■筋引きをすることによって、さらなる肉の収縮を止めることができる
筋などは62℃で約3分の1まで縮んでしまいます。当然肉も筋につられて収縮します。必要以上にお肉が収縮してしまいますと、ジューシーなステーキには焼き上がりません。筋を挽くことがいかに重要であるかが判ると思います。
また、肉の中に入っていて引けない筋も、多少見栄えが悪くても筋切りをするか、取り除いても見栄えよりは、美味しさをとった方がいいと思います。
■ステーキに適した肉とは?
骨付き肉(ティーボーンなど)は、骨に肉が支えられまして肉が縮みにくいので、ジューシーな柔らかいステーキを焼くには非常に適していると思います。
また、骨付きのステーキは炭火などで焼くことも多いですが、炭火は遠赤外線の効果で、中心まで火が入りやすいので注意が必要です。
キレイに焼き色を付けて肉汁を逃がさないためにも、炭火の時は肉の表面にオイルを塗るなどして、肉の回りを素早く固める工夫が必要になってきます。
■レアかウェルダンか?どっちがいい?
一般的に肉は熱を加える事により、生の時よりも風味が増します。そして硬くなると同時に弾力ももろくなります。肉の優劣は、焼けば焼くほど、その特徴がはっきりとあらわれます。
これらが何を意味するかといいますと、加熱することによって上等な肉とそうでない肉の違いが、より判りやすくなるということではないでしょうか?
ですから、レアよりもウェルダンのほうが誤魔化しが利かないということになります。あまり上等ではない肉の場合は、ウェルダンよりもレアに近い焼き加減をお薦めします。
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