蝦夷鹿について考えてみたいと思います。
蝦夷鹿は明治初期に絶滅の危機を迎えましたが、手厚い保護と狼の絶滅などから急速に繁殖しました。
現在にいたっては蝦夷鹿による農林産物の被害により、猟期以外の駆除も行われています。
近年では、駆除頭数が狩猟頭数を上回る程です。
それでは市場に蝦夷鹿の肉があふれているのでしょうか?
答えはNOです。
・第一の理由
高齢化の進むハンターが、山林で仕留めた鹿の血抜きを寒風下で行い、100キロをこえる巨体を車まで運ぶのは重労働だということ。
・第二の理由
野生動物専用の解体設備が不足している事。
食肉として流通させるには、食肉処理場の許可を持った設備で解体する必要があります。
・第三の理由
狩猟方法とハンターの意識。
一部の殺す事が目的のハンターは、良い食肉を得るなどということは考えていません。
傷を追った鹿が逃げ回れば、肉に血が回って真っ黒になってしまいますし、腹に弾が当たれば内蔵が破裂して内臓の臭いが肉についてしまいます。
背に当たれば背肉が台無しになります。
結果、食肉として扱えないものになってしまいます。
ヨーロッパにはクリーン・キル“Clean・kill”という言葉があります。
急所に当てて即死させるのです。
ヨーロッパのハンターは、追いかけるのとは違って至近距離から確実に狙うことができる、待ち伏せ型の狩猟法を取り入れています。
平成10年度の調査では、狩猟・駆除によって撃ち殺された鹿は約8万5千4百頭、そのうち食肉として利用された数は4000頭あまりだそうです。
これ以上鹿を無駄にしないためにも、ハンターと消費者を結ぶラインの充実を心から望んで止みません。
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