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ラーメンは麺の文化

今日、ラーメン店を今月末に開店するお客様が見えて2時間ぐらい話を聞いた。
非常にやる気のある研究熱心なお客様である。

白湯スープに醤油ベースのラーメン・味噌ベースのラーメンをやるそうである。
豚ガラのげんこつは幾らですか?とりがらは?と最初に聞いてきて値段の安いところとおつき合いをしたい、という話だった。

豚ガラ・鶏ガラの通常の値段を言ったらやっぱりというような感じで納得をしていた。
通常これらの製品は10キロ入りの箱に入っている。もとは安いものでも、人件費 箱代・運送費・管理費(冷凍庫代金)などを入れるとそこそこの値段になってしまうものだ。

ちょっと目先を変えて考えてみよう。
私は鶏ガラ・豚ガラを使うというのは本当に決まったのですか? 豚ガラはどの部位ですか?鶏ガラは地鶏ですか?爪鶏ですか?他に牛骨は? 豚足は?と聞いてみたがまだ決まってないようだった。

本来の姿は、
「スープの素材としてこれとこれを使うと最高の味になる。 1ヶ月にだいたいこのぐらいこの素材は使用するので、安く仕入れる方法は何か?」
と言うことになるのではないだろうか。

是非ともお願いしたいことがあるが、ラーメンに本当に凝るのならば、もっと 一杯の値段を高く取れる工夫をしてください。

ラーメンのタレは何処の醤油の3年もの、鰹節・さば節・昆布・にもこだわりをもつ。
塩は何処の塩を使うか、味噌は何種類の味噌をブレンドしてなにを合わせるか? スープの材料は?げんこつは黒豚がいいか?地鶏のガラは?野菜は何を入れる? 水はどんな水がいいか?など沢山の選択肢がある。無尽蔵だ。

最後に麺はどうするか?なのだろうが、これは反対かもしれない。というのは 最初にどんなラーメンをお客様にお出ししようか?どんなラーメンをだしたら、喜んでくれるだろうか?を考えたら、最初に考えるのは「麺」ではないだろうか?

日本人の食文化から考えてスープでおなかを一杯にする人より、麺にこだわり、満腹感と満足感を得る人の方がが圧倒的に多いはずだ。
だとすれば麺はどうするか?から入って何十軒もの製麺所に掛け合ってサンプルをだしてもらい、麺だけを食べる。その中から麺を一種類だけ選ぶ。 これが順序だろう。

どうしても好みの麺がないときは自分で麺を打つ!これしかない!

スープを研究してスープに麺を合わせたら、お客様の満足感は得られない。 なぜなら、スープを飲みに来るのではなく「麺」をすすりにくるんだと思う。 言葉は悪いけどそうだと思う。

うどんも、そばも、きしめんも、そうめんも、冷や麦も、基本的につゆはあまり変わらない! 麺の、のどごしを楽しむのだ。
ラーメンもそこから入らないと間違えてしまう。
最初に麺にこだわりを持つからこそ、スープにもこだわりを持つんだと思う。

 

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