コルヴェール(Col-vert青首)は、野鴨を代表する鴨で、アヒルの原型になったもので、雄の頭部が緑色をしていることから名付けられたものです。
コルヴェール=青い首、日本でも「青首」と呼ばれていますが正式名称は「真鴨」です。
メスは全体が褐色で羽縁が黒い状態をしています。また、エクリプス(換羽)の時期には、オスも青首の羽先が抜け落ちてメスと似た色彩になります。
コルヴェールの肉は、飼育鴨のカナールドメスティックよりも赤く、独特の風味を持っています。特に雌の皮下脂肪は厚く、その風味は濃厚なものです。
まさにジビエの神髄ともいえる風味、食味を持っています。 ※
◇フザンダージュ
カナール・ソバージュの場合は、他の野禽類のようにフザンダージュしなくても大丈夫です。してもせいぜい3日ぐらいで美味しくいただけます。
サルセル
ディヴェール(Sarcelle d'hiver)は、カモ類の中で一番小さい鴨です。
全長はオスが41p、雌が34cm前後です。
オスは、顔の緑がきれいなためにオシドリと間違えられる場合があります。
フザン(Faisan キジ)は日本の国鳥ですが、原産はアジアで、中世の頃にヨーロッパに渡り順応したようです。
フザンの肉は、フランスばかりではなく、イギリス、イタリアでも大変に好まれています。
フランスでは、養殖したキジを狩猟シーズンの前に放していますが、天然のキジ肉に比べると、やはり風味の点で落ちるようです。
また、外見の美しいオスよりも、雌の方が美味しいようです。
◇フザンダージュ
キジは、屠鳥後すぐのものは本来の旨みがありません。
3〜4日熟成させて始めて、美味しさの本領を発揮します。
熟成させることをフランス語でフザンダージュ(Faisandage)といいますが、その語源はフザンから発しています。
ベカス(Becasse ヤマシギ)は翼幅が60cm前後で、くちばしが細く長い割りに脚が短いのが特徴です。フランスでは、3〜4月と、10〜11月の年2回狩猟しますが、肉質は秋の方が脂がのっていて美味しいです。羽色が枯葉色に似ているため、ベガスの狩猟は大変難しいようです。
ベカスの小さいものをベカソー(Bekasseau) といいます。
◇フザンダージュ
他の野禽同様に熟成が必要ですが、4〜8日はフザンダージュしたほうが良いようです。
熟成しますと、腹の皮が光だし、尾羽を手で簡単に抜く事が出来ます。
また、嘴も容易に指で折ることが出来ます。
熟成したか否かをみる判断にして良いでしょう。
ベカシーヌ(Becassine タシギ)は全長30cm、翼13〜14cmの小型のシギです。ベカシーヌよりタシギのほうが肉質が良く、大変美味しいものですが、小さいだけに狩猟は難しく散弾の当たり所によっては、食材として使えなくなってしまいます。
ペルドリ/ペルドローは、ジビエとしてはコルベールと並び、定番ともいえるものです。
半飼育ジビエ※が出回っていますので肉は白身で柔らかです。独自のコクと風味が
あり、クセもなく鶏肉が食べられる方でしたら、美味しくいただけます。
ペルドローはペルドロー
ルージュ(赤シャコ)とペルドロー
グリーズ(灰色シャコ)
の2種類に分けられます。※雌雄共に同じ呼び名です。
ペルドロ−の中でも生後4週間に満たないものを特にプイヤール(Pouillard)と呼びます。
ペルドロー
ルージュ(Perdrix Rouge)赤岩シャコ
ペルドリの中では一番大きく、背と腹は赤茶色、のどは白く、嘴と脚は赤色をしています。
フランスの南、及び南西部に多く棲息しています。
肉は白身の肉で風味が豊かです。血の香りがありませんので、プサン(キジ肉)より食べやすいジビエといえます。
全長約30cm 体重450g
ペルドロー
グリーズ(Perdrix Grise)ヨーロッパヤマウズラ
背が赤茶色、腹が灰色をしています。雄には栗色の斑点があります。
ルージュより、コクと旨味があります。
全長約30cm弱 体重450g弱
※生後1年未満のものをペルドロー、それ以上のものをペルドリと呼んでいます。
※半飼育ジビエとは、広めの飼育場を立木ごと網で覆ってしまい飼育をします。
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